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虫雑談

【コラム】アクティオンなのかレックスなのか

2018年から19年にかけて、アクティオンゾウカブトの名前が話題になりました。今まで日本国内で流通していたアクティオンゾウカブトはレックスゾウカブトに学名が変わったのです。名前が変わったのは分かったけど、種類が分けられたアクティオンとレックス、ヴァズデメロは何が違うのか。どこを見ればいいのか?が分からない人が多いです。私もこの記事を書くにあたり、調べてイラストを重ねながら見るまで分かりませんでした。また、レックスゾウカブトは今後名前が変わる可能性もあり、この情報もいつまでも正しいわけではないです。BE-KUWA70号を読んで、イラストを描いたので見てみましょう!

独立種

2018年、アクティオンゾウカブトはその特徴からアクティオンとレックス、ヴァズデメロに分けられました。ヴァズデメロレックスが種として独立しているのは、主に生息域が重なっているにも関わらず混ざらない(交雑しない)ためと記載されています。その主な要因として挙げられるのが交尾器の形状です。これは是非、BE-KUWA70号を見てほしい。

これは、奄美大島のスジブトヒラタとアマミヒラタを例に考えると分かりやすいです。
2種類のヒラタクワガタは、柑橘類の樹木で両方とも簡単に見ることができますが、それぞれが独立しており混ざりません。この2種の交尾器について資料探しましたが見つけきれなかったので今後自分で解剖等調査予定です。関連書籍としては、「月刊むし172号(7月号)菊田さんのスジブトヒラタの学名について:25」を調べるのが良いと思います。残念ながら、弍朗丸は所持していません。。。所有している方に借りたいと思います。

まとめると
同じエリアに生息する同属でも、交尾器の形状が異なり、それぞれの形質を有している場合、独立種に昇格するということになります。
遺伝子的に解析すると間違いなく近縁種だと思われますが。。。私は学者ではないのでこれ以上のことはわかりませんが、モロンオオカブト、マヤシロカブトなどが形質的に大きく異なるために独立種に昇格したのとは少し違う印象です。

モロンシロカブトは、交尾器やその他特徴からヒルスシロカブトよりもマヤシロカブトに近く、マヤシロカブトよりもヘラクレスに近い形質をもっている。マヤシロカブトが種として認められるなら、モロンシロカブトはヒルスから独立する可能性がある  現在は独立している(2022年)

くわがたマガジン No.27
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弐朗丸の意見

私の意見としては、アクティオンとレックス、ヴァズデメロは亜種の関係に落ち着くのかなと考えています。
これらの種類が国内や海外で飼育されていくの中で種の特徴が明らかになっていくのではないかと思います。

【事実】
ウカヤリ産のレックスゾウカブトは赤いと言われますが、イキトス産のレックスも赤みの強い個体は羽化してきます。上翅も標本では艶消し状になりますが、生きている間は上翅は脂っこいです。
【仮説】
上翅の光沢は、幼虫期の食性によるものなのかもしれません。同じ飼育条件では、ヴァズデメロもレックスも上翅が同じ様な艶消し状になるのかもしれません。そのブリード報告から、ヴァズデメロはレックスのシノニム(同種異名)になりました的なことが明らかになれば、もっと面白いと思います。

【事実】
アクティオンやレックスゾウカブトを研究飼育するのは現実的ではありません。なんせワンサイクルは4年間かかるためです。これらの種類のメスを見分けるのは至難の業です。メスを最低1サイクルほど回して種の同定からになるのでかなり大変だと思いますが。。。研究飼育にここまで向かないカブトムシも居ません。
ですが、飼育を続けることでわかることも多いと思います。まずは確実なWD個体を入手するところからにはなります。現地では普通種で個体数は多いため、WDの価格はもう少し抑えてほしいものです。。。

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レックスゾウカブト

イメージ

  • 最も大きくなるアクティオンゾウカブト
  • 後脚の一節目の棘が小さい
  • 上翅の光沢がない(生きている間は少し光沢がある)
  • 前胸のコブが大きい

アクティオンゾウカブト

イメージ

  • 最も小さくなるアクティオンゾウカブト
  • 後脚の一節目の棘が大きい

ヴァズデメロゾウカブト

イメージ

  • 大きくなるアクティオンゾウカブト
  • 後脚の一節目の棘が小さい
  • 上翅の光沢がある
  • 前胸のコブが小さいorない?

どれがどの種の前脚かわかりますか?
標本見せられても、私は当てる自信が全くありません(笑)

ゾウカブト

Megasomaとは、「Mega」は大きい「soma」は体という意味です。やや小型(25mm)の種類から大型(140mm)の種類まで含む族である。小型の種類はMega?とも思いますがそこは一旦考えるのは止めましょう。毛の多い種類と毛の少ない種類があり、アメリカからアルゼンチン北部まで広いエリアに分布しています。毛の有無や外見だけで近縁種が決まるわけではなく、交尾器や分布で種類が決定しています。素人目にはとても複雑で分かりにくく、専門家の中でも意見が分かれる属です。今後また、レックスゾウカブト含め種名が変わる可能性があります。

レックスゾウカブト

  • 和名:レックスカブト
  • 学名:Megasoma rex (actaeon johannae)
  • 体長:♂51~133mm ♀52~88mm
  • 産地:コロンビア、エクアドル、ペルー、ブラジル、ボリビア
  • 特徴:アクティオン族で最も大型になる
       国内に出回っている個体はアクティオンはレックスゾウカブトにあたる
       種小名「rex」は王を意味する
  • 寿命:羽化から6~8か月程度 (活動開始からは2か月~) 
  • 幼虫期間:30~48か月程度(♀は32カ月程度)
  • 相場:ヤフオク! 成虫ペア20000円~
       ショップ  成虫ペア36000円~(2022年現在)

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